今回は2010年アンプティサッカーワールドカップに出場する日本アンプティサッカー協会会長の春田さんにお話を伺いました。

‐まずは日本アンプティサッカー協会について聞かせてください
2010年1月にアジア初のアンプティサッカー協会として日本アンプティサッカー協会(JAFA)を設立しました。スタッフは10名くらいで運営しています。上部組織の国際アンプティサッカー協会(WAFF)にはブラジルをはじめ、アメリカ、ロシア、イギリスなど18カ国が加盟しています。
協会を設立したきっかけは息子がブラジルのサンパウロ大学に入学していた時にブラジルでアンプティサッカーに出会ったことでした。その後、ブラジル代表のエンヒーキ・松茂良・ジーアス選手が仕事の都合で来日し、自分としてもなにか役に立ちたいと思い設立に携わってきました。
‐それではアンプティサッカーについても聞かせてください
アンプティサッカー(amputeesoccer)は主に腕や足の切断障害をもった方がプレーするサッカーです。1980年くらいにアメリカで始まったとされています。人数はチームは7人で、うち1人がゴールキーパー、残りがフィールドプレーヤーです。フィールドプレーヤーは足を切断された方、ゴールキーパーは腕を切断された方が担当します。
他にベンチに5名いて、アイスホッケーと同様に交代は何回でもできます。コートの大きさはフルのサッカーコートの半分、フットサルのコートよりは大きいですね。選手はクラッチ(主にロフストランドクラッチ)で競技を行うため、足に障害を持つ人々にとっては、もっとも気軽に楽しめるスポーツとして海外では認知度が高まっています。
‐海外ではかなり知られているのですね
南米やヨーロッパにはプロリーグもあります。ESPNといった衛星のスポーツチャンネルでも放送を行うことがあります。

‐今年、アンプティサッカーのワールドカップがあるとお伺いしましたが
2010年10月16日から29日にかけてアルゼンチンのロザリオでアンプティサッカーのワールドカップが行われます。日本代表チームも協会が設立されて間もないですが出場することになりました。さらにワールドカップのオープニングマッチを開催国のアルゼンチンと行います。
‐ワールドカップはサッカーと同じように4年ごとに行われているのですか
いえ、大体2年ごとに開催されています。次の2012年大会は是非日本で開催したいと思っています。そのために今から計画を立てています。計画では静岡県の静岡市清水区での開催を目指しています。そうすることで中国や韓国などアジア各地にもアンプティサッカー協会が設立され、より普及が進むと思います。
‐パラリンピックの正式種目にはなっているのでしょうか
これから本格的に正式種目を目指していきます。パラリンピックの五輪はアメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニア、アジアを指していて、各地域から出場国がないと成立しません。アジアには今までアンプティサッカーの協会がなかったためにパラリンピックの正式種目にはなれませんでした。
しかし、日本にアンプティサッカー協会ができたことによって要件を整わせることができたのです。今回、行われるアルゼンチンのワールドカップにもパラリンピック委員会から視察団が訪れることになっています。

‐アンプティサッカーの魅力はどんなところにありますか
まずは手軽にできるところですね。選手はクラッチと呼ばれる松葉杖のようなものを使用していますが、これは8000円ほどで購入できます。他の障害者スポーツだと専用の道具などにかなり費用がかかったりしますが、アンプティサッカーはこの松葉杖があれば大丈夫です。また、健常者の方とも一緒にプレーをすることもできます。ルールはさほど変わりませんし、たまに健常者のフットサルチームと練習試合を行ったりもしますね。
‐健常者の方とも一緒にプレーするんですね
日本代表の選手で言うと、もともとサッカーや野球などで活躍していた選手もいますので身体能力が高いというのもありますが、クラッチで十分動きを補うことができるので他の障害をお持ちの方に比べて比較的一緒にプレーしやすいスポーツであると思います。
なのでこれからはもっと学校などとも協力して活動していきたいと思っています。足や腕を切断された方は、体育の授業など見学することが多いかもしれませんが、アンプティサッカーを練習すれば仲間とも一緒にサッカーをすることができます。そうすることによって自信がつき、将来にも自信が持てるようになる。あきらめることは決してして欲しくないですね。
南米やヨーロッパではプロリーグもあるように、ナイキのような大手のスポーツ用品メーカーがスポンサーにつき、サッカーの一流選手とともにアンプティサカ―のプロ選手も広告に登場しています。そういった意味でも将来はアンプティサッカーのプロになる、スポーツヒーローになるんだという障害者にとっての夢と希望を持つことができますね。

‐それでは今後の目標などを聞かせてください
現在は東京に協会があるので、東京・神奈川・埼玉・千葉が中心となっていますが、全国に支部を作っていずれは国内リーグを設立したいと思っています。また、先ほどもお話ししましたが2012年のアンプティサッカーワールドカップの日本誘致も大きな目標ですね。
それから中国、韓国はもとよりアジアにこのアンプティサッカーを広めていきたいです。特にカンボジアなど地雷のまだ埋まっている地域やインドなど骨の病気が多い地域では、片足、片腕欠損の方が多くいらっしゃいます。その方たちにもアンプティサッカーを楽しんでもらえるようになって欲しいですね。
‐ワールドカップぜひ頑張ってください!ありがとうございました!
編集後記
ワールドカップが開かれていて、今年協会が設立されたばかりの日本も出場するということで、ぜひ優勝を目指してほしいです!日本でのワールドカップ誘致の話も進んでいて、まさにこれからメジャーなスポーツの仲間に入っていくのではないでしょうか。今後の活躍の期待が大きいので今のうちに皆さんチェックしておいてください。