今回はプロビリヤードプレーヤーの香川貴俊さんにお話を伺いました。

‐まずは香川さんがビリヤードのプロを目指したきっかけを教えてください
高校生まではサッカーをやっていたのですが、高校3年生でサッカーの大会が終わった後カラオケやボーリングなどと一緒に遊んでいたのがビリヤードでした。その後、大学に進学しファミレスでバイトをしていたころにバイト仲間とまたビリヤードに行くようになったんです。それでそのうち1人でビリヤードの練習をやるようになったのですが、そこの店員さんに「センスあるんじゃないの!プロになったら?」と言われたのが嬉しくて、それが一つのきっかけですね。でも考えてみたら店員さんなんて、お客さんに褒め言葉として言うよなって。自分も今働いているビリヤードのお店でお客さんに言いますからね(笑)
‐大学を卒業してからプロを目指したんですか?
いえ、大学3年の時に大学を辞めてプロを目指そうと思いました。もっともプロになっても飯が食えていけるのかも分からなかったんですけどね。でも、ビリヤードのプロになるのに大学を卒業しても意味がないと思って。もちろんプロになる自信はあるから大学を辞めたというのもありますけど。それから新宿のビリヤード場で働きながら練習をしていました。
‐大学を辞めてプロを目指すのは相当の覚悟がいりますよね
大学を辞める前にもアマチュアの大会やビリヤード店主催の大会には出場し、何回か優勝したこともありました。中にはプロの人も参加する大会もあり、その中で優勝できたことも一つの自信にはなったと思います。でも大学生のままビリヤードを続けていくのは何か納得できない部分もあったんです。プロを目指しているのに大学に通うことは保険をかけているというか、100%プロになるんだという、自分へのプレッシャー、本気度を出したかったんです。
‐でも大学を辞めてプロを目指すと言ったら親に反対されなかったですか?
そうですね、当然されました(笑)でもとにかくプロになるんだと一点張りで親を説得して、最後はあなたの人生だからと言うことで認めてもらいました。これで完全に退路がなくなったわけです。

‐なるほど。やっぱり相当勇気がいりますね。練習はどうしているんですか?
大学を辞めた後はお店で働きながら様々な大会に出場していました。練習はアマチュアの時は1日10時間やってましたね。でもプロになってからは練習時間も変わりました。やるときは10時間くらい練習するんですが、2、3時間の時もあります。量よりも質を求めるようになりました。結構ビリヤードをしていない時間も大切なんですよね。
あとやはり重要なのがメンタル面です。私は月に2回ほどメンタルトレーニングのコーチにストレスカウンセリングや呼吸法、試合中の集中力を高める方法などの講義を受けています。また講義とは別に毎日メンタルトレーニングを行っています。
‐やっぱりメンタルの部分は非常に重要なんですね
大会でも常にプレッシャーとの戦いなんです。その中でいかに自分の技術を発揮できるかと言うところが一番重要です。もちろん技術的な練習は大切なんですが、練習をするときに一番心がけているのが、どれだけ自分にプレッシャーをかけられるかをということですね。大会の時と同じプレッシャーを自分にどうやってかけていくのかが一番苦労しているところです。何かを得られる、何かを失うといったプレッシャーがある中で初めて出てくる肉体的、精神的な変化というものを日々の練習の中で再現するのは非常に難しいですね。
‐それだけプレッシャーがあると大会の後も相当つらいですよね
大会では試合会場に10時間くらい拘束されることもあるので精神的にかなり疲れますね。大会後は逆にビリヤードから離れて自分のやりたいことをやって精神的な疲れをいやしていきます。そして自分がまたビリヤードを撞きたいと思ったら、キューを握ると言うこともありますね。

‐ビリヤードの大会はどれくらい開かれているんですか?
ビリヤード店で行われるハウストーナメントなんかは新宿界隈だとほぼ毎日やっています。
JPBA(日本プロポケットビリヤード連盟)主催の大会だと全国で毎月行われています。一番大きな大会は全日本選手権と言って、優勝賞金は200万円です。海外でも大会は開かれており、一番大きな大会だと賞金が500万円くらいになります。
‐大会に出場する費用とかも結構かかりますよね。
まず交通費が非常に大きいですね。それとエントリー料なども発生するので大会に出場するだけでもそれなりに費用がかかってしまいます。
‐やはり地方で大会があると交通費だけでもかかりますからね。それでは最後に香川さんの夢や目標を聞かせてください。
はい。一番の目標は世界選手権で優勝することです!またビリヤードはまだまだ認知度が低いので多くの人に魅力を知ってもらいたいですね。あとは自分の家庭を作ってプレーヤーとしても家庭も充実できるような人間になりたいです。
それとビリヤードのプロ仲間で賞金の数%を使って、世界の子供にワクチンを届ける事業も行っています。こうやって徐々にプロビリヤードプレーヤーの地位向上を目指していきたいです!
‐ありがとうございました!