聴覚障害(ろう者)ハンマー投げ 森本真敏さんにお話を伺いました

衛藤(以下 衛) みなさん、こんばんわ。只今からハンマー投げの世界ろう記録保持者森本真敏さん@montahammerとのインタビューを始めます。インタビュアーは株式会社JMSの衛藤がつとめます。よろしくお願いします。
衛 それでは自己紹介をお願いします
森本(以下 森) はじめまして、聴覚障害(ろう者)のハンマー投げの森本真敏です。
衛 ハンマー投げをするようになったきっかけを教えてください
森 聴覚障害者初のプロ野球選手を目指していましたが、高校受験に失敗し、聾話学校の高等部陸上競技部顧問から声をかけられたことがきっかけですね。
衛 お、プロ野球の選手を目指していたんですね。ではハンマー投げの魅力を教えてください
森 常に「遠くに投げたい」と思わせてくれる魔物かもしれませんね(笑)決められたサークルとハンマーをいかに遠くに飛ばすかというシンプルさが魅力ですね。
衛 なるほど常に「遠くへ投げたい」と思ってしまうんですね!変な質問ですが普段生活している中でも、ついつい遠くへ投げたくなってしまったりしますか?
森 さすがに、生活用品を飛ばしたりはしません(笑)でも、生活の中で競技にかかわるヒントが隠れていることが多いんです。
森 例えば、栄養についても某会社の「おふくろさん」はカツオに煮干しが簡単に作れてしまう。すごいアミノ酸の集まりですね。ただ、おいしいものが好きなだけですが(笑)そのような関心が競技力につながりますね。
衛 一番気を使う、もしくは力を入れている練習はなんですか
森 投擲練習ですね。ある程度、基礎体力が上がれば、記録は伸びます。が、技術や感覚を積み重ねていかないと記録というものは伸びていかないんです。回転運動はどの基礎トレーニングにも代えられない負荷がかかりますから。
衛 確かにシンプルなスポーツだからこそ、技術や感覚で勝負が決まってくるのかもしれませんね。そう言った意味では精神的な鍛錬なども欠かすことはできませんか?
森 そうですね。無心で投げる時、どれだけの完成度・精密度があるか。そこに至るまでのトレーニングも簡単ではない。投げ続けること、あきらめない、追求することが強い心を育てると思います。

衛 目標としている、尊敬している選手はいますか?理由も教えてください。
森 室伏広治選手です。高校2年生の時、初めて出会いマンツーマンで教えて頂いたきっかけです。室伏選手の競技に対する眼差しや生き方が今の自分に影響を受けています。
森 室伏選手は他の世界トップクラスと比べ、身体のハンデがある中で技術で戦い抜くスタイルが高校2年生の僕には衝撃でした。
森 言い方に問題があるかもしれませんが、聴覚障害というハンデよりも身体的なハンデの方が不利だということは身をもって知っていた。だから、聞こえないから無理という概念がなくなりましたね。だから、今の私がいる。
衛 他の選手に対して、「ここは負けられない」または「ここに自信がある」と言える部分を教えてください。
森 聴覚障害者の世界記録保持者という肩書きがあります!世界のろう者で初めて60mを超え、いまだに60mを超えるろう者はいません。それだけが誇りです。ただ、障害関係なく、もっと遠くに投げたい気持ちは誰にも負けません。
衛 世界記録ですか!それはすごい!世界記録をマークした時の投てきはいつもとは違う感覚でしたか?
森 ありがとうございます。そうですね。そこまで投げるとは思いませんでした。練習でも投げたことがない飛距離でしたから。思い切り投げるというのは100mの崖から海へ飛び込むような恐怖が伴う感じです。
森 ぎりぎり体とハンマーが釣り合うような。それ以上だとバランスが崩れてしまうし、怪我する。でも、その感覚は次のステップへ行くための大事な感覚です。

衛 ハンマー投げを通じて実現したいこと、訴えたいことがあれば教えてください。
森 聴覚障害者はもともと少人数でスポーツの競技力の限界に関するの研究が少ない状況。限界は未知数です。どれくらいできるかを五里霧中の中、自分の身を賭けて試してみたい。それが聴覚障害の幼い子たちの希望となるように草分けしたいですね。
衛 今後の目標を教えてください
森 プロ陸上競技ろう者選手になること。世界ろう者選手権、デフリンピックは2大会連続金メダルを目指す。日本陸上競技連盟の日本選手権で3位以内入賞し、アジア競技大会の出場。最終的に記録は70mを超えることです。
衛 2大会連続の金メダル期待しています!他にPRしたいことがあれば教えてください
森 知っていますか?デフリンピック【Deaflympics】は聴覚障害者のオリンピックがあること。パラリンピックより歴史が古く、その大会の試合では補聴器や人工内耳の装用禁止されています。
森 陸上競技のスタートはランプで知らせ、バスケットはコーナーやゴールにランプがあり、ファールやゴールを教えてくれます。そんな視覚的な工夫がされ、競技ルールはオリンピックと同様なのです。生粋に選手は競技を楽しみ、極め、聴覚障害者の“世界一”が決められます。
森 試合会場の雰囲気は聴覚障害者ということを忘れてしまうようなプレーや緊張感、迫力、感動があります。ぜひ、皆さんもデフリンピックに注目して頂き、日本国民が一人でも多く関心や興味を持って頂ければ、私たちは大きな力と勇気になります!
森 ぜひ、ご声援やご支援を宜しくお願い致します。インタビューの機会を与えて頂いたspotalkさんありがとうございました!
衛 皆さんもぜひハンマー投げで活躍する森本さんの応援をぜひお願いします。そしてデフリンピックをもっともっと盛り上げていきましょう!森本さん、今日はありがとうございました!