障害者スキー振興協会 津川さんにお話を伺いました

衛藤(以下 衛) みなさん、こんばんわ。只今から障害者スキー振興協会の津川さん@aadstsugawaとのインタビューを始めます。インタビュアーは株式会社JMSの衛藤がつとめます。よろしくお願いします。
衛 まず自己紹介をお願いいたします
津川(以下 津) はじめまして、障害者スキー振興協会の津川朋也です。3.11以降、様々な面で価値観が変わってきたと思いますが、実は私も高校生で阪神淡路大震災を経験し、ひと月ほど避難所で住み込みボランティアをしていました。
津 その経験の中で私自身の価値観が変わりました。贅沢な暮らしは必要ないけど、誰かの笑顔を作る仕事に就きたい、人の可能性を見出すお手伝いをしたい。その心が今の障害者スキー振興協会の活動に結びついています。
衛 障害者スキー振興協会について聞かせてください
津 私は長年障害者スキーに携わり、もっとたくさんの人へ可能性や笑顔を届けたいと思い、2009シーズンに障害者スキー振興協会を設立しました。どのような障害でもスキーができますが、様々な要因がその可能性をつぶしています。
津 当協会の目的は『いつでも、どこでも、だれでも!』スキーをできるようにする環境を整える事です。私は、目が見えない事や足が動かない事よりも、できる事ができない環境が障害だと捉えています。
津 誰にでもできない事がたくさんあります。しかしハード面やソフト面がクリアされれば、できる事もたくさんあるはずです。
衛 協会の活動内容について教えてください
津 『いつでも、どこでも、だれでも!』を実現するために、指導歴15年・約450名への指導経験と、障害に精通した理学療法士の資格を活かし、一般のスキースクールでの障害者スキープログラムをサポートしています。
津 スキースクールであれば、指導者の都合に合わせることもなく、『いつでも』滑りたい日程で滑ることができます。受入れスクールを増やせば、近場のスキー場や憧れのスキー場で『どこでも』滑ることができます。
津 様々な器具が用意され、指導スキルを磨けば、『だれでも』どんな障害でも滑ることができます。当たり前では?と思われるかもしれませんが、まったく整っていないのです。

衛 津川さんが障害者スキー振興協会を設立した理由を教えてください
津 私はかつて障害者専門スキースクールに在籍し指導技術を学びました。しかし専門で行うため、多くの器具や多くのスタッフの人件費がかかり、活動が継続するものではありませんでした。
津 ボランティアとして指導していた時期もありましたが、交通費や宿泊費などは受講者負担のため、一日6万円以上請求する時もありました。一冬4万キロ走り回り、寝る間もない移動。同じ日に受講希望があればどちらかを断らなければいけない。
津 ボランティアにも、受講者にも良い環境とはいえませんでした。また、心はあっても指導技術のないボランティアが「あなたにはできないよ!」と言ったシーンを何度か見てきましたし、
津 スキーの修学旅行で障害を持った子供が、器具もなく指導者もいないため、ただ宿舎の窓から外を眺め続けていたシーンも見ました。そんな悲しい思いをさせたくありません。障害者スキー指導は、ボランティア精神だけではできません。
津 高い指導技術を広め、希望する日程で受講でき、いつまでも継続できる受入れ環境を作りたい。そんな気持ちで障害者スキー振興協会を設立しました。
衛 障害者の方が楽しめるスキーとはどういったものがありますか?
津 障害者スキーというと、普段車いすで生活されている方が使う一本板のチェアスキーをすぐに思い浮かべると思いますが、下肢の障害に加えて上肢の障害も大きければ2本板のバイスキーもあります。
津 下肢に麻痺や切断などの障害があり立位で生活されている方はスキー板の先端を開かないようにするスキーブラや、杖の先に小さいスキー板のついたアウトリガー、視覚障害の方を誘導するスピーカーなど、障害に応じて様々な器具があります。
衛 なるほど、障害に応じて様々な器具があるわけですね。受講される方は滑れるまでに時間がかかったりしますか?
津 スキーは重力が引っ張ってくれるスポーツです。健常者も障害者も地球の引力の前では平等です。障害を持つと自然の中に入る事はとっても大変な事ですが、リフトが山の上まで簡単に運んでくれます。
津 あとは技術に適した斜面を、技術に適した速度で滑るだけです。対戦するものではありませんから、下手でも相手に気を使うこともありません。他のどんなスポーツよりも障害者にとって簡単に始められ、障害や健常の壁も少ないスポーツだと考えています。
津 素晴らしい光景や味わった事のないスピード、充実感や達成感、何よりも楽しいという思いをきっとできるはずです。

衛 いままで活動して来て一番嬉しかったことを教えてください。
津 スキーを始めてする人が、『できたー!』『気持ちいいー!』って叫んでいる笑顔を見る瞬間です。障害者スポーツ=競技というイメージや、『がんばってね』と応援されがちですが、スポーツは楽しくするものです。
津 まずスキーの楽しさや快感を知り、雪山を愛する方がたくさん増えてくれれば、もっと嬉しいでしょうね。
衛 協会を通じて実現したいことを教えてください
津 少しずつ障害を持たれた方が社会へ出てくる機会が増えてきました。日常生活や就労などの面ではまだまだ満たされたものではありません。
津 しかし、余暇活動も満足なものとは言えない状況です。障害者だから『できたね、良かったね』のスキーごっこではなく、より高い技術で自由に楽しめる環境を提供するべきだと考えています。
衛 今後の夢や目標を教えてください
津 『いつでも、どこでも、だれでも』滑れる環境を作りたいと考えています。そのためには器具を揃えるだけでも1000万円程かかりますが、そんな金額には負けないほどの笑顔を生めると確信しています。
津 将来的には日本各地10か所のスキースクールで、1シーズン40レッスンずつ講習を受ける。毎年400人の笑顔と可能性を作ります!
衛 その他PRしたいことがあれば教えてください
津 アメリカにはNSCDという障害者スキーのメッカがあります。高額な器具がずらっと並ぶだけではなく、一山すべてが障害者のための施設です。たくさんの専門知識をもったスタッフもいます。
津 その運営は、企業や個人からの寄付によって成り立っています。現在の日本ではけして儲かる分野ではないので誰も手を出しませんし、発展も継続もありません。だからと言ってこのままで良い訳はありません。
津 障害者スキー振興協会では一口500円からご寄付を受け付けております。当協会の趣旨にご賛同頂き、たくさんの笑顔を一緒に作るお手伝いをよろしくお願いします。
津 障害者の方も色々な方法でスキーを楽しんでもらえる機会がこれから増えるといいですね。皆さんも障害者スキー振興協会さんの活動をぜひ応援してあげてください!本日はありがとうございました!
衛 本日のインタビューはこれで終了です。読んでいただいた皆様、フォロー、RTしていただいた皆様、ありがとうございました!株式会社JMSの新サービス「クリックでスポーツを応援するスポクリ」@spocli(spocli.com)もよろしくお願いいたします
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